
ところで、婚活サイトに登録をするっていうことは、とりもなおさず「自分のプロフィールを登録する」ってことからはじまるんですよね。
私が登録したところは記入式というのか、質問事項みたいのに答えるように埋めていくと自動的にその人のプロフィールが出来上がると言う形式でした。
氏名、住所、資格、特技、趣味……。
この年になると、あまりプロフィールを記入すると言った経験は滅多にありません。
改めて自分の特技や趣味を考えましたが、キーを打つ指先はのんびりとしたものです。だって、さして書く事柄がないんですから。
経理をやっているといったって、簿記の資格があるわけでなし、何か特別打ち込んでるものもない。クルマの免許ひとつもなくて、これといって書き込むものが見当たらないのです。趣味だって、正直何も思い浮かびませんでした。
だいたい大学出てからすぐに結婚して、あとはギャンブル癖のある夫との暮らしに翻弄され続けました。その間に子どもを産んで、離婚してからは一時期は工務店とファミレスのバイトの掛け持ちで仕事に追われて、何かを楽しむなんて時間はまるきりなかったのですから。朝から晩まで動き続けて、自分の好きな事に打ち込むなんて事すらここ何年・・いえ、何十年も忘れていたような気さえします。
そのうえ私は「離婚経験あり、現在こどもふたり」と書かなくてはなりません。
深夜にワイングラス片手に自分のプロフィールを見て、「なんだこれ」って思いましたよ。退屈そうな、中年の女性。どうやら一度結婚に失敗し、そのくせふたりも子どもがいる。子どもも扱いの難しい年頃らしい。
もし私が婚活中の男性として、このプロフィール見て「お。良さそうな人だな、会ってみようか」なんて絶対に、絶対に思いませんよ。そもそもなんの取り柄もなさそうな無色透明みたいなプロフィールに、しかも「離婚歴」「コブつき」という大きなマイナスポイントがくっついているんです。
私がもしこのプロフィールを見たとすればほんのコンマ何秒でしょう。
明け方まで悩みながら、結局「読書、料理、ワインが好きです」と趣味の欄に書き込むのが精いっぱいで、中身の薄いそのプロフィールがネットの海にたぶん、埋もれてしまうのだろうなとどこか投げやりな気持ちで登録をすませたのでした。