これはマズイと思った私は、息子が野球の練習にいっている日曜日の昼間に娘にもう1度説明を試みました。娘は最初よりは冷静に聞いているようでしたが、「ネットで婚活したっていうわけ」と、眉をひそめたんです。私よりはるかに「ネット世代」の娘から、そんな反応があるとも思わずちょっと驚きました。
「お母さんが好きな人ができて、結婚したいって言うなら、たぶんちょっと戸惑うかもしれないけど、そうか、って思ったとおもうよ。でも、なんなのそれ。お金払ってそういうとこに登録して相手を見つけるわけ? 条件で歯医者がいいってお願いしたわけ?バッカみたい、そんなに結婚したいんだ」立て続けに非難がましく問いつめられて、私もカッときたんです。
「あたしみたいな40すぎで、離婚歴あって子どももふたりいてね、そんな人があんたたちみたいに簡単に恋人つくれたりしないんだよ。あたしはね、一生懸命生きてきてあんたたちを育ててきたんだし、今すこし余裕ができてそれで次の人生考えたの。それのどこがいけないの?バツイチで婚活したらダメなの?」
……嫌なもんですね。
娘と婚活で喧嘩。
もうすごいガッカリで顔色冴えない私に工務店の奥さんが心配してくれました。この人にだけは打ち明けていた婚活だから、ちょっと涙ながらに訴えてしまいました。誰かに、第三者に相談というよりかはただただ話したかっただけのような気もします。
そしたら、言われたんですよ。
「ちかちゃん、あんた娘をちゃんと育てたねぇ」って。は?どういう意味?と顔をあげたら、笑っててね。どうでもいいよって無関心になるのではなく、お母さんのことを心配してくれてるんだって。ちゃんと自分の意見もお母さんに伝えようとしているんだから、しっかり者だよって。
「それにひきかえ、ちかちゃん。あんたはちゃんと説明もしていないじゃない。自分の気持ちをもっと詳しく娘に話してあげたほうがいいよ。結婚したいってことは、家庭を持つってことで、娘さんにとっちゃぁ、新しい家庭と家族が増えるってことで、そりゃぁ大きなことなんだからさ」
親身になって答えてくれて、聞いているうちに私もちょっと反省しました。