「壁の花ねぇ」工務店の奥さんに近所の喫茶店に誘われて、ずーずー飲むコーヒーにつきあいながら事の顛末を話すと苦笑いを浮かべました。
「その後、もう一回参加してみたんです。ホテルのランチパーティーのような感じで、20人位参加しているパーティーだったんですけれど。」「合同お見合いってとこだね。昔はあったよ、集団お見合いとかね。集団就職も普通だった。うちなんかも昔は景気良くてねぇ、おばあちゃんの頃は東北から若い子がいっぱい来て寝泊まりしながら仕事を覚えたもんだよ」景気が良かった頃の話は奥さんの十八番なんで、さらりと流して(笑)
「だけど、そうなるとぱっとした人がいなくて。やっぱり男性が大勢いればそれだけ確率が高くなるって感じなんですよ。それにそのぐらいの人数で自己紹介となると私もなかなか、バツイチで、とか気軽に口に出しづらい雰囲気だし……」
実際に、お見合いパーティー自体はすごくいい企画だと思いました。特にワインの会もそうでしたけど、一緒に陶芸をするとか、ボーリング大会とか、タイトルだけ見るとちょっと妙齢の男女の出会いとしてはどうかな?的なものでも、そういう会自体に企画があるものだと全体的に和やかで輪のなかに加わりやすいんです。
ただ、私はやっぱり向いてないと思いました。そういう短い時間の出会いのなかで、「この人ならいいかも」というふうになかなか思い切れないんです。それはやっぱり、バツイチだったからじゃないかな。
相手の欠点をまず探してしまうんです。この人、親しみやすそうだけど、ほんとは家では頑固で扱いづらいタイプじゃないかしら、とか。一見優しそうだけど実は神経質そう、とか。結婚に失敗して、子どもを必死に育てた過去が、私にブレーキをかけるんです。よくよく相手は確かめないと、って。
だいたい、最初の夫だってもちろん出会った当初はいい人だなって思っていたわけですし、結婚してしばらくするまでお金使いが荒いなんて気付きませんでした。若くて自分に見る目がなかったせいだ、と思えば思うほど、今度は失敗できないっていう決意が大きくて。
だから、そういうふうに大勢の人がランダムに集まるとまず「どういう人なんだろう」って疑う姿勢がどうしてもできちゃうんです。やっぱり、ある程度事前に「こういう人だ」というプロフィールを確認して、良さそうな相手がいたら時間をかけて相手を知りたいという気持ちが強くなりました