婚活パーティーで知り合ったKさんとの交際は順調でした。確かに何か突出して魅力的、というものがある人ではないんです。でも一緒にいて安心できる、信頼のおける人。変に気を使わなくて良い、自分を無理に飾らずに一緒にいられる人だな、と思いました。
しばらく交際してから、やはり出てきたのは子どもたちに対する問題ですね。彼は私に子どもがいることは承知の上でしたから「あまり気負わず、そのうち会えたらいい」という感じでした。子供達も彼を受け入れてくれるのかとても不安でした。特に息子は難しい年ごろなので、この人が新しいお父さんよといわれ戸惑わないはずがないですし。
同時に私のほうでもかなり気にかかっていたのが、Kさんの母親でした。Kさんは私より3つ上でだいぶたってから彼が打ち明けたところによると「けっこう長く一緒に暮らしていた女性がいた」ということです。ただ結婚に至らなかったのは、相手がキャリアを持っていて結婚生活にこだわらなかったことと、Kさんの母親がどうしてもその女性を気に入らなかったというところがあるようなのです。
現在、Kさんは母親と同居しているわけではありませんが、近所に住んでいるという状態でした。息子の結婚相手が、バツイチで大きな子どもがふたりもいると知ったら……、その母親も当然反対するだろうと思ったんです。Kさんの感じからするに、マザコンではないと思いました。それでもお母さんの存在が大きいのは彼の口ぶりからもわかりましたし。
バツイチ子持ち、っていう自分の「条件」の悪いことがこの時あらためて思い出されましたね。私はさんざん相手に対する希望や条件をのべてきましたが、ひるがえって自分の立場を考えると愕然とします。
Kさんとのデートも毎週のようにしていて、周囲からも「なんか明るくなったよね」とか言われていい気になっていた私も結婚というものが具体的になりそうになってくるとにわかに不安がましてきました。「良さそうな相手と会えてデートしてるってのに、まぁあんたときたらなんでそんなふさいでんの」工務店の奥さんが私の腕をひっぱって、いつもの近所の喫茶店へ連れ込んで詰め寄ってきました。